
雪に咲く花
第10章 深いきずあと
暫く時間がたった頃、亘から連絡を受けた雪斗の兄姉たちが姿を現した。
「ご迷惑かけてすみません。弟はどうなんでしょうか?……」
上の姉とは一度あったが、亘にとって、兄と下の姉とは初対面である。
兄は雪斗と違う系統の男らしい顔つきだが、下の姉は雪斗をもう少しきりっとさせたような可愛い顔をしている。
兄姉たちが亘に礼を言うと、医者の話をきくことになった。
雪斗が倒れたのは熱のせいだが、全身が痣だらけのこと、しかも、今日ではなく数日前に性的暴行を加えられ、肛門の中が徐々に炎症を起こしているとのことだった。
診察しようと身体に触れるたび、悲鳴をあげ手足をばたつかせていたらしい。
「まさか、こんなことがあったなんて……」
「いったい、どうして雪斗がこんなことに?……」
美桜が震えだし、泣き出した。
美紅も黙って涙をながしている。
「あんた先生なんだろっ!これ、見てくれよ!あいつがこんなことされてるのに何で助けてくれなかったんだよ」
海斗が亘に怒鳴りつけて、スマートフォンを目の前につき出した。
正式に教師ではないが、どこかで勘違いしてるらしい。
しかし、その画面を見た瞬間、亘は全身が凍りついた。
「ご迷惑かけてすみません。弟はどうなんでしょうか?……」
上の姉とは一度あったが、亘にとって、兄と下の姉とは初対面である。
兄は雪斗と違う系統の男らしい顔つきだが、下の姉は雪斗をもう少しきりっとさせたような可愛い顔をしている。
兄姉たちが亘に礼を言うと、医者の話をきくことになった。
雪斗が倒れたのは熱のせいだが、全身が痣だらけのこと、しかも、今日ではなく数日前に性的暴行を加えられ、肛門の中が徐々に炎症を起こしているとのことだった。
診察しようと身体に触れるたび、悲鳴をあげ手足をばたつかせていたらしい。
「まさか、こんなことがあったなんて……」
「いったい、どうして雪斗がこんなことに?……」
美桜が震えだし、泣き出した。
美紅も黙って涙をながしている。
「あんた先生なんだろっ!これ、見てくれよ!あいつがこんなことされてるのに何で助けてくれなかったんだよ」
海斗が亘に怒鳴りつけて、スマートフォンを目の前につき出した。
正式に教師ではないが、どこかで勘違いしてるらしい。
しかし、その画面を見た瞬間、亘は全身が凍りついた。
