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雪に咲く花

第14章 [番外編]誤解から始まる恋

歩のことは、諦めたはずだが、どこか吹っ切れない自分がいる。
馬鹿だな。あいつは男だぞ。
俺には、雪斗や亘兄みたいなホモっ気はないんだ。
こんなこと言ったら、あの二人に失礼だけどな。
男同士とはいえ、あいつらは真剣に付き合ってんだ。
だけど俺は、ちゃんと男と女の恋愛がしたいんだよ。
でも……。彼の作ったクッキーの味が忘れられないんだ。
あの、彼の真心がつまっていたクッキーが……。
何故か、歩の笑顔が頭にちらついて勉強だって頭にはいらねえ。
もとから、入っていなかったじゃないか、と言ったやつはぶっ飛ばすぞ。
気がつくと、俺はノートいっぱいに歩と文字を何個も書いていた。
俺としたことが、こんな柄にもないことをするとは……。
恋は魔法とよくいうけど本当だな。

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