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雪に咲く花

第14章 [番外編]誤解から始まる恋

「先輩、今日はまた助けていただいて有り難うございました。二回も助けてもらったんだし、何かお礼をしなきゃいけないな。あっ、そういえば、先輩の用事ってなんだったんですか?」
そうだった。
今日は、歩に愛の告白をするはずだっんだ。
「歩、俺は目付きも悪いし、教師の受けも悪いし、親いなくて施設育ちだし、しかも男だ」
「……」
何をいっているんだ?俺は……?
言ってることが支離滅裂じゃないか。
呆気にとられている歩を前に、とにかく思いをぶちまけた。
「俺はお前が好きだっ!男も女も関係ねえ。俺と付き合ってくれ!」
歩が驚いた顔をして、しばらくしてから口を開いた。
「先輩、本当ですか?でも僕男ですよ」
「そんなこと、どうだっていいんだ。とにかくお前と一緒にいたいんだよ」
多分、振られるんだろうな。
こんな美少女、いや美少年が俺みたいな、強面のやつに好かれたって嬉しくはないだろうからな。
「悪いな。こんなこと言われて迷惑なのは分かっているんだ。ただ俺は気持ちを伝えたかっただけだから忘れてくれ」
「迷惑なんかじゃありませんけど……。むしろ嬉しいです。」
「分かってるって……えっ……」
俺は耳を疑った。

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