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雪に咲く花

第18章 崩れていく幸せ

翌日、教室に入ったとたん、いきなり足を引っ掛けられ床に転倒した。
「だっせぇ!」
顔をあげると、数人の男子が笑っている。
「何すんだよっ!?」
雪斗が、怒鳴りつけると、一人の男子が黒板を指差した。
「あれ、見てみろよ」
立ち上がって、人差し指の先を見ると、
『真柴雪斗は男を狂わす魔性のおかま これにて処罰を下す』
と大きな文字で書かれているのだ。
「えっ!?……何これ?……」
訳が分からない。
「福原は、学校やめされられたのに、真柴だけ何のお咎めなしと言うのは、不公平だというやつがいるんだよ」
「そうだ。と言うわけで、これからお仕置きしなきゃならないからな」
教室の不穏な空気を感じながらも、自分の席に近づく。
「えっ!?……」
机には、
『おかま、女男、ばいきん』
などと落書きされた文字で埋めつくされているのだ。
「酷い……!どうして?」
颯人がいないのをいいことに、雪斗に対する陰湿ないじめが幕を開けようとしていたのだ。

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