
雪に咲く花
第22章 本物の悪魔
やや間があいた後、女性の声が聞こえた。
「はい、どちら様でしょうか?」
「僕だよ。光多だ」
「お坊っちゃま、お帰りでしたか。今開けますね」
なるほど、光多と黒沢は双子だから、彼が光多になりすまして家の中に入ることが出来るのだ。
まだ、高校生でありながら、知恵の働く黒沢に感心する。
扉が開き、家政婦らしい女性が顔を出した。
「お坊っちゃまお帰りなさいませ。あら、お客様?」
家政婦と目が合い、亘は会釈をする。
「僕の担任の先生なんだ。進路のことで相談にのってもらおうと思ってね」
「そうですか。どうぞ御上がり下さい」
「遅くに申し訳ありません。ご主人と奥様は?」
家族の状態を知らないとやりづらいと思い、さりげなく探りを入れる。
「申し訳ありません。旦那様は出張中でして、奥様はもとからいらっしゃらないんです。今、家にいるのは、お坊っちゃまと私だけです」
家族のものがいないと分かり、安心する。
「申し遅れました。光多君の担任教師の福原といいます。あの、家政婦さんのお名前は?……」
「あっ、私は木村と申します」
木村さんか……、とりあえず、黒沢にとっても名前は知っておいたほうがいいだろうと考えたのだ。
「はい、どちら様でしょうか?」
「僕だよ。光多だ」
「お坊っちゃま、お帰りでしたか。今開けますね」
なるほど、光多と黒沢は双子だから、彼が光多になりすまして家の中に入ることが出来るのだ。
まだ、高校生でありながら、知恵の働く黒沢に感心する。
扉が開き、家政婦らしい女性が顔を出した。
「お坊っちゃまお帰りなさいませ。あら、お客様?」
家政婦と目が合い、亘は会釈をする。
「僕の担任の先生なんだ。進路のことで相談にのってもらおうと思ってね」
「そうですか。どうぞ御上がり下さい」
「遅くに申し訳ありません。ご主人と奥様は?」
家族の状態を知らないとやりづらいと思い、さりげなく探りを入れる。
「申し訳ありません。旦那様は出張中でして、奥様はもとからいらっしゃらないんです。今、家にいるのは、お坊っちゃまと私だけです」
家族のものがいないと分かり、安心する。
「申し遅れました。光多君の担任教師の福原といいます。あの、家政婦さんのお名前は?……」
「あっ、私は木村と申します」
木村さんか……、とりあえず、黒沢にとっても名前は知っておいたほうがいいだろうと考えたのだ。
