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雪に咲く花

第22章 本物の悪魔

最後のひと部屋になったとき、亘は祈りながら扉を開けた。
「頼む。見つかってくれ」
しかし、願いも虚しく、中はクロ―ゼッドが三台ほど置いてあるだけの衣装部屋のようだった。
「どうですか?」
黒沢が部屋の中に入ってきて尋ねた。
亘は力なく首を振る。
「こっちもさっぱりです。やっぱり僕の感は的が外れたのかな?」
「チキショー!いったいどうしろっていうんだ」
何も手がかりが掴めない苛立ちがつのり、自分の身長くらいあるクローゼットを力任せに叩きつけた。
反動でクローゼットの扉が半開きになる。
「まずいな。俺としたことが……」
「待って下さい!」
亘が扉を押して閉めようとしたとき、黒沢が扉の動きを止めた。
「これはっ!……」
黒沢がクローゼットの中を見て驚いている。
「この中、見て下さい」
黒沢に促されて中をのぞいた亘は驚きを隠せなかった。

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