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雪に咲く花

第22章 本物の悪魔

彼らのものが触れたときだった。
駆け込むような足音が聞こえる。
「やめろっ!雪斗を離せ!」
最も会いたかった人物が目の前にいることに、驚きを隠せない。
「亘!……。本当に亘なの?」
思い切り、亘の胸に飛び込みたいが、枷が邪魔をして身動きがとれない。
「嘘だろ!?まじかよ」
「福原がなんでここにいんだよ?」
雪斗を犯そうとしていた男達は、狐につままれたような顔をする。
「うがっ!……」
近づこうとした亘は、突然頭を何かで殴られ、うずくまった。
「大人しくしててくださいよ」
「亘に何するんだよ!やめろっ!」
叫びを無視して近くにいた光多が、亘の脇腹を蹴りあげ、手足をロープで拘束する。
「まさか、この場所を見つけることが出来るとはね。貴方は予想以上に頭がいい人のようだ」
「やはり、今までのことは君の仕業だったのか?。杉山光多君!」
「ご名答、それにしても、もう少し、じわじわ追い詰めてやろうと思っていたのに、つまんないの」
「君が憎いのは俺だろ!雪斗をすぐ解放してくれ!お願いだ」
亘の懇願に光多が嘲笑った。

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