雪に咲く花
第23章 黒沢叶多の思い
「父とも話し合って、光多を引きとって一緒に暮らそうと思っているんです」
黒沢の父も光多のことを気にかけていたらしい。
光多は、苦しみのあまり、忌まわしい過去、そして自分自身をも封印してしまった。
これからは、光多に愛情を与えてやれなかった分、三人で新たに思い出を作っていこうと考えたそうだ。
「光多は名前負けしちゃいましたね。光が多いって書くのに、あいつに光なんてなかったんだ」
黒沢は自分もそうだと心の中で付け加えた。
雪斗の顔を眺め、自分の願いも叶うはずがないのだと、切なくなる。
願いが多く叶うという意味を込めて、叶多という名前がつけられたのに……。
「まだこれからだよ。君達で、光を探していけばいいじゃないか」
「そうですね」
亘の言葉に黒沢はふっと笑う。
「君にお礼を言わなければいけないね。君がいなければあの暗号は解くことが出来なかったよ。あのままだったら、雪斗はいつまで傷つけられていたか分からなかった」
「あれは、僕じゃなければ解けないものでした」
黒沢が光多との遠い思い出を語った。
黒沢の父も光多のことを気にかけていたらしい。
光多は、苦しみのあまり、忌まわしい過去、そして自分自身をも封印してしまった。
これからは、光多に愛情を与えてやれなかった分、三人で新たに思い出を作っていこうと考えたそうだ。
「光多は名前負けしちゃいましたね。光が多いって書くのに、あいつに光なんてなかったんだ」
黒沢は自分もそうだと心の中で付け加えた。
雪斗の顔を眺め、自分の願いも叶うはずがないのだと、切なくなる。
願いが多く叶うという意味を込めて、叶多という名前がつけられたのに……。
「まだこれからだよ。君達で、光を探していけばいいじゃないか」
「そうですね」
亘の言葉に黒沢はふっと笑う。
「君にお礼を言わなければいけないね。君がいなければあの暗号は解くことが出来なかったよ。あのままだったら、雪斗はいつまで傷つけられていたか分からなかった」
「あれは、僕じゃなければ解けないものでした」
黒沢が光多との遠い思い出を語った。