雪に咲く花
第23章 黒沢叶多の思い
「吸血鬼の話は以前しましたよね」
吸血鬼は、太陽の光を浴びると、溶けてしまうから、光多なら、やっつけられる。
光多は光を多くもっているからと……。
まだ、光多と双子として一緒に過ごしていた頃、テレビで忍者の登場するアニメを、二人で観たことがあった。
屋敷の中から、からくりを見事に通り抜け、土の中に潜っていく忍者を見て、
『この忍者、もぐらみたいだね』と笑いあっていた。
それを思い出し、屋敷の中のどこかに地下室があるのではと考えたのだ。
そのようなヒントをたよりに、最後に入った部屋のクローゼットの中に、地下室に通じる扉を発見したということである。
「なるほどね。君達の思い出の中に、鍵はあったということだ」
「ところで福原先生、お願いがあるんです」
感心している亘に、黒沢が話を切り替える。
「何だい?出来ることならなんでも……」
「少しだけ、真柴と二人きりにさせて欲しいんです」
吸血鬼は、太陽の光を浴びると、溶けてしまうから、光多なら、やっつけられる。
光多は光を多くもっているからと……。
まだ、光多と双子として一緒に過ごしていた頃、テレビで忍者の登場するアニメを、二人で観たことがあった。
屋敷の中から、からくりを見事に通り抜け、土の中に潜っていく忍者を見て、
『この忍者、もぐらみたいだね』と笑いあっていた。
それを思い出し、屋敷の中のどこかに地下室があるのではと考えたのだ。
そのようなヒントをたよりに、最後に入った部屋のクローゼットの中に、地下室に通じる扉を発見したということである。
「なるほどね。君達の思い出の中に、鍵はあったということだ」
「ところで福原先生、お願いがあるんです」
感心している亘に、黒沢が話を切り替える。
「何だい?出来ることならなんでも……」
「少しだけ、真柴と二人きりにさせて欲しいんです」