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雪に咲く花
第23章 黒沢叶多の思い
あの日、雪斗が斉藤達に体育倉庫の方に連れていかれたという話を、偶然耳にした。
急いで体育倉庫に駆けつけると、信じられない光景が目に入った。
無残な姿で、倒れている雪斗がいたのだ。
ここまで、酷い虐めを受けていたとは……。
しかも、恐怖のあまり、体を震わせ、過呼吸を起こしているようだ。
直ちに、尻に刺されたものを抜き、背中をさすってやると、落ち着いたのか疲労で気を失った。
周りに散乱していた服を着せ、保健室に運んだ。
誰もいない保健室に人の気配を聞きつけ、すぐに立ち去ったのだ。
その後、光多の復讐に巻き込まれ、こんな残酷な仕打ちを受けるとは……。
もし、自分が素顔をさらけ出し、雪斗にも、光多にも堂々と接していたら、ここまで酷いことにはならなかったかも知れない。
つまらないしがらみのせいで、雪斗も、双子の兄も守ってやれなかったことに激しく後悔する。
「ごめんよ。助けてあげられなくて……でももう大丈夫だよ」
黒沢は、眼鏡を外し、本来の姿になった。
「もっと君と話をたくさんして、仲良くなりたかった」
雪斗の白い頬に顔を近づけ、優しくキスをする。
「さよなら、僕の天使」
黒沢は、届かない気持ちを雪斗に呟くと、病室を去った。
急いで体育倉庫に駆けつけると、信じられない光景が目に入った。
無残な姿で、倒れている雪斗がいたのだ。
ここまで、酷い虐めを受けていたとは……。
しかも、恐怖のあまり、体を震わせ、過呼吸を起こしているようだ。
直ちに、尻に刺されたものを抜き、背中をさすってやると、落ち着いたのか疲労で気を失った。
周りに散乱していた服を着せ、保健室に運んだ。
誰もいない保健室に人の気配を聞きつけ、すぐに立ち去ったのだ。
その後、光多の復讐に巻き込まれ、こんな残酷な仕打ちを受けるとは……。
もし、自分が素顔をさらけ出し、雪斗にも、光多にも堂々と接していたら、ここまで酷いことにはならなかったかも知れない。
つまらないしがらみのせいで、雪斗も、双子の兄も守ってやれなかったことに激しく後悔する。
「ごめんよ。助けてあげられなくて……でももう大丈夫だよ」
黒沢は、眼鏡を外し、本来の姿になった。
「もっと君と話をたくさんして、仲良くなりたかった」
雪斗の白い頬に顔を近づけ、優しくキスをする。
「さよなら、僕の天使」
黒沢は、届かない気持ちを雪斗に呟くと、病室を去った。
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