雪に咲く花
第24章 きずあとが癒えるまで
その時の温もりを思いだし、歩は優しく背中を流し続ける。
「いいなあ。俺、末っ子で下がいないから、そんな可愛い妹欲しかったな」
「僕は、逆に雪斗さんの方が羨ましいですよ。優しいお兄さんとお姉さんに可愛がられて……」
歩の手は、とても優しく嫌な出来事など忘れていくようだ。
「次は俺が歩ちゃんの背中を流すよ」
背中を流してもらった後に、交代して、歩の背中を流し始めた。
歩は、雪斗より5センチ以上身長はあるものの、華奢で雪斗に負けないくらい肌が白い。
「歩ちゃん、肌綺麗だな。顔も綺麗だし……」
「そういう雪斗さんだって負けてないじゃないですか。可愛いし……」
「よく言われるけど、男としては複雑なんだよね。この顔のせいでいじめられてばかりで、いいことなんかないし……」
再び、辛かった日々が、頭に蘇り、背中を擦る手がとまる。
「僕だって、この白い肌も、女顔も、コンプレックスだったんですよ。男らしい外見に憧れたときもあります。でも、颯人さんが僕の顔が好きって言ってくれたから、今ではそんなことないです。雪斗さんだってそうでしょう?」
「いいなあ。俺、末っ子で下がいないから、そんな可愛い妹欲しかったな」
「僕は、逆に雪斗さんの方が羨ましいですよ。優しいお兄さんとお姉さんに可愛がられて……」
歩の手は、とても優しく嫌な出来事など忘れていくようだ。
「次は俺が歩ちゃんの背中を流すよ」
背中を流してもらった後に、交代して、歩の背中を流し始めた。
歩は、雪斗より5センチ以上身長はあるものの、華奢で雪斗に負けないくらい肌が白い。
「歩ちゃん、肌綺麗だな。顔も綺麗だし……」
「そういう雪斗さんだって負けてないじゃないですか。可愛いし……」
「よく言われるけど、男としては複雑なんだよね。この顔のせいでいじめられてばかりで、いいことなんかないし……」
再び、辛かった日々が、頭に蘇り、背中を擦る手がとまる。
「僕だって、この白い肌も、女顔も、コンプレックスだったんですよ。男らしい外見に憧れたときもあります。でも、颯人さんが僕の顔が好きって言ってくれたから、今ではそんなことないです。雪斗さんだってそうでしょう?」