雪に咲く花
第24章 きずあとが癒えるまで
(これは、あの時の!)
去年のクリスマスに、亘にプレゼントしたフォトケースにあるオルゴールのメロディーだ。
クリスマスにデートしたイルミネーション祭りにて、流れていたメロディー『星に願いを』が、耳もとで流れているのだ。
「なあ雪斗、あの時は、このメロディーぴったりで星が綺麗だったよな。お前のプレゼントしてくれた、このオルゴールのメロディーも同じものだったから驚いたよ。素敵な偶然だったな」
亘が背中を擦ってやれない代わりに、写真を目の前に近付け、思い出を語りだした。
雪斗の心を覆っていた闇は、優しい光が射し、落ち着きを取り戻していく。
「亘、ごめん……。俺、誰かに触られると、おかしくなっちゃうんだ。怖くなって、苦しくて……」
雪斗は、自宅の浴室で兄に触れられて、突き飛ばしてしまったこと、放課後、ぶつかって来た男子生徒が肩に触れた途端、恐怖を思い出して苦しくなったこと、自分の裸体を見るだけで、身体を弄られた恐怖を思い出してしまい、頭がおかしくなってしまうこと、あの事件から起きた、心のパニックの数々を語った。
去年のクリスマスに、亘にプレゼントしたフォトケースにあるオルゴールのメロディーだ。
クリスマスにデートしたイルミネーション祭りにて、流れていたメロディー『星に願いを』が、耳もとで流れているのだ。
「なあ雪斗、あの時は、このメロディーぴったりで星が綺麗だったよな。お前のプレゼントしてくれた、このオルゴールのメロディーも同じものだったから驚いたよ。素敵な偶然だったな」
亘が背中を擦ってやれない代わりに、写真を目の前に近付け、思い出を語りだした。
雪斗の心を覆っていた闇は、優しい光が射し、落ち着きを取り戻していく。
「亘、ごめん……。俺、誰かに触られると、おかしくなっちゃうんだ。怖くなって、苦しくて……」
雪斗は、自宅の浴室で兄に触れられて、突き飛ばしてしまったこと、放課後、ぶつかって来た男子生徒が肩に触れた途端、恐怖を思い出して苦しくなったこと、自分の裸体を見るだけで、身体を弄られた恐怖を思い出してしまい、頭がおかしくなってしまうこと、あの事件から起きた、心のパニックの数々を語った。