雪に咲く花
第24章 きずあとが癒えるまで
「雪斗、さっきのレストランの夜景もだけど、星が綺麗だったよな」
涙を流しながら、震えている雪斗に、亘が、レストランでの幸せなひとときを語る。
美しい景色に包まれ、美味しい料理を頬張りながら楽しんだ時間が心の中に染み込んでいき、呼吸が安定していく。
「亘、そばにいて」
亘は、頷くと、雪斗の隣に寝転んだ。
抱き寄せることは無理だが、手を握りながら添い寝をすることは許されるらしい。
『星に願いを』のメロディーが耳にこだまする。
目一杯、ゼンマイを巻いておいたのだ。
メロディーのテンポが遅くなり、ゼンマイが切れる頃には、二人とも穏やかな眠りに入っていた。
雪斗の身体は亘と肌をあわせることどころか、抱きしめられることさえ許さなくなってしまった。
雪斗が恐怖に苛まれ、過呼吸を起こすたびに、何度も『星にねがいを』のメロディーを流し、幸せな時間を語ってきかせた。
すると、雪斗の苦しみは和らいでいく。
それが、何度も繰り返される。
雪斗は亘に辛い思いをさせるからと、彼の家に泊まることを遠慮しようとした。
しかし、亘がそれを許さない。
「俺の手で、雪斗の傷を治したいんだ」
と言いはったのだ。
二人の闘いは、別の形でスタートを始めたのである。
涙を流しながら、震えている雪斗に、亘が、レストランでの幸せなひとときを語る。
美しい景色に包まれ、美味しい料理を頬張りながら楽しんだ時間が心の中に染み込んでいき、呼吸が安定していく。
「亘、そばにいて」
亘は、頷くと、雪斗の隣に寝転んだ。
抱き寄せることは無理だが、手を握りながら添い寝をすることは許されるらしい。
『星に願いを』のメロディーが耳にこだまする。
目一杯、ゼンマイを巻いておいたのだ。
メロディーのテンポが遅くなり、ゼンマイが切れる頃には、二人とも穏やかな眠りに入っていた。
雪斗の身体は亘と肌をあわせることどころか、抱きしめられることさえ許さなくなってしまった。
雪斗が恐怖に苛まれ、過呼吸を起こすたびに、何度も『星にねがいを』のメロディーを流し、幸せな時間を語ってきかせた。
すると、雪斗の苦しみは和らいでいく。
それが、何度も繰り返される。
雪斗は亘に辛い思いをさせるからと、彼の家に泊まることを遠慮しようとした。
しかし、亘がそれを許さない。
「俺の手で、雪斗の傷を治したいんだ」
と言いはったのだ。
二人の闘いは、別の形でスタートを始めたのである。