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雪に咲く花

第28章 新たな繋がり

「亘は頭のいい子だ。お前の見る目に間違いはないだろう」
「では、雪斗との事を認めてくれるんですか!?」
亘が身をのりだす。
「多くの人間は世間体を気にするもんだが、私達には、そんなものが全く意味がないことを知っている。お前が将来の伴侶を選ぶのに出そうと思っていた条件は何だと思うかね?」
養父の言葉に、亘が少し考えてから答えた。
「真面目で家庭的な人でしょうか?」
「それもあって欲しい条件の一つだが、一番の条件は、亘が心から幸せだと感じる相手であることだ。その事については、雪斗君は条件を充たしているようだ」
「お義父さん、雪斗のこと分かってくれて有り難うございます」
亘が養父の手を握った。
「有り難うございます。亘さんのこと大切にします」
頭を下げてお礼を言う雪斗の方に、養父が再び向きなおった。
「厳しいことばかり言ってすまなかったね。君たちの気持ちが、どれほど真剣なのか確かめさせてもらったんだ」
「えっ!……」
呆気にとられている雪斗と同時に、亘も肩の力が抜ける。
「お義父さん、人が悪いですよ。義理とは言え、親子の間に亀裂が入るのを心配してたんですからね」
養父が声をあげて笑った。

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