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雪に咲く花

第28章 新たな繋がり

一晩泊まった後、雪斗達は、亘の実家を去ろうとしていた。
「もう少しゆっくりしてけばいいのに……、呆気ないわね」
「仕方ないさ。二人とも新しい道を歩くためにやることはあるんだ。また、いつでも遊びにくればいいさ」
残念そうに二人を見る養母に、養父が宥めるように言う。
「お義父さん達に認めてもらえて嬉しいです。また、顔を出しますから」
「色々と有り難うございました。これからもよろしくお願いします」
雪斗達が挨拶をすませると養父の車に乗り込んだ。
駅まで送ってくれると言い出したからである。
車が走り出し、養母は姿が見えなくなるまで手を振っていた。
「雪斗君、また亘と遊びに来てくれたまえ。あれが喜ぶし、君がいると楽しくなりそうだからね」
「はいっ!是非行かせてもらいます。有り難うございました」
「義父さんも、身体に気をつけてくださいよ」

養父の車を降りた後、駅舎に入って電車の時間を確認する。
「まだ、45分もあるな。お土産屋でものぞこうか」
「うん、行こう」
駅の周辺に、地元の土産物を置いた店が数件ある。
雪斗は物珍しさに店の中を歩き回っていた。
「あの!もしかして……」
亘も土産物を眺めていると、背後から声をかけられた。

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