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雪に咲く花

第28章 新たな繋がり

「亘兄さん、今、来たばかりなの?」
「残念ながら、これから帰るところなんだ。電車が来るまでの暇つぶしさ」
「そうなんだ。つまんないの」
悠希が寂しそうな瞳で亘を見た。
「昨日、会えればゆっくり話も出来たんだがな。けど、また来るよ」
「実は俺、亘兄さんと同じ大学に通うことになったから、そっちに上京するんだ」
「本当か?じゃ、またすぐ会えるじゃないか。いつでも遊びに来いよ」
「本当!?亘兄さんの携帯の番号教えてもらってもいいかな」
「あぁ、構わないよ」
亘と悠希は、お互いの電話番号を登録する。
「こっち来たら雪斗とも是非仲良くしてやってくれよ。同じ年だから気が合うかも知れないぞ」
「悠希君だっけ?よろしく」
「あっ……うん、よろしく」
笑顔で挨拶する雪斗に悠希が力なく挨拶を返す。
彼は何故か浮かない顔だ。
「あっ、もうすぐ電車が来る時間だ。雪斗、そろそろ行かないと」
亘が、時計を見て雪斗を促した。
「えっ!もうこんな時間だ!」
駅まで向かう二人を、悠希が見送る。

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