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雪に咲く花

第30章 招かれざる客

「せっかく来てくれたのにすまない。そうだ!これから三人で食事でも行かないか?悠希君の歓迎会もかねてさ」
「いいの?嬉しいな」
悠希が楽しそうな顔をする。
雪斗は浮かない気持ちだ。

人気のあるステーキ屋で食事をすることになり、3人で店に入った。
香ばしい匂いに包まれて、ステーキが運ばれ食べ始める。
「美味しい!肉がジューシーで柔らかい」
「うん、この味最高!ソースもいい味だし」
「そうだな。評判の店だから前々から来てみたいと思っていたんだよ」
雪斗も悠希も亘も、口の中に広がるジューシーな味に感動する。
「ところで悠希君は文学部だったな。やはり、将来はその方向に進むつもりなのかい?」
食事をしながら亘が尋ねた。
「うん、小説家になりたいと思ったこともあるけど簡単になれるものではないし、でも文学の道には進みたいとは思ってはいるんだ」
「まあ、これからだし、勉強しながら考えていけばいいさ。」
「うん、そうだね。そういえば昔、亘さんに勧められた本、夢中になって読んでたな。悲しすぎる話だったけど今でも心に残っているよ」
「レミゼラブルのことかい?あれは奥の深い考えさせられる物語だ」
亘と悠希が二人の世界で、話を始めていた。

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