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雪に咲く花

第30章 招かれざる客

「悠希君の親に電話してみればいいんじゃないの?」
「したよ。だけど、親御さんも、是非、悠希君をお願いしたいっていうんだ。生活費なら、いくらでも送るからって……。金の問題じゃないんだよな。あの子の親は放任のところあるし、金を出せば物事が何でも解決すると思っているような人みたいだ」
「そうなんだ。まあ、俺も早く家が見つかるように協力するよ」
「本当か?それは心強い。早く住むところを見つけてやろうな」
「はっきり言って、あの子が亘のところにいると不便だから、早く出ていって欲しいだけさ」
結局その夜は、ほぼ、悠希の話で終わってしまった。
「とにかく、悠希君のことはなんとかするから、もう少し時間をくれないか?日曜日だけでも二人で会えるようにするから」
「分かった。早くあの子のこと、なんとかしてよ」
今は、悠希が自分の場所を見つけられるように、待つしかないのだ。
亘も雪斗もいずれは、一緒に住みたいと考えている。
そのためには、いつまでも彼を亘のマンションに置いとくわけにはいかない。
親からの仕送りもあるし、決して住む場所を探すのが、困難なわけではないのだ。
亘は、後で悠希と話し合おうと考えていた。

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