雪に咲く花
第31章 ポーカーフェイスの心
「だってさっき黒崎さんがそう言って……」
「ああ、あの時は、丸くおさめるためには、ああでも言うしかなかったんだよ。ふと思い付いたでまかせさ。かえって嫌なこと思い出させちゃったみたいで悪かったかな?」
「いえ、ただちょっとびっくりしちゃって、でも、黒崎さんのお陰で助かりました。ありがとうございます」
お礼を言いながら、ふと彼の存在が、誰かと被るような気がした。
普段は無愛想で、何を考えているのか分からないし、話しかけても、ぶっきらぼうな対応しかしない。
しかし、いざとなるときには、さりげなく手を差しのべてくれる。
似たような出来事が前にもあったような……。
霧に包まれた脳裏に、眼鏡がうつり、無表情な顔が形になった。
「そうだ。黒沢だ!」
もやもやしたものが明確になり、思わず叫んでしまった。
「えっ!?……僕は黒崎だけど……」
黒崎が不思議そうに呟く。
「えっ!……あっ、違うんですよ。黒沢っていうのは、俺がいじめられていたとき、こっそり助けてくれたやつで、何か変わったやつだけど、黒崎さんと少し似てるなと思ったんで……」
慌てて、支離滅裂な説明をする雪斗を見て、黒崎が笑った。
「ああ、あの時は、丸くおさめるためには、ああでも言うしかなかったんだよ。ふと思い付いたでまかせさ。かえって嫌なこと思い出させちゃったみたいで悪かったかな?」
「いえ、ただちょっとびっくりしちゃって、でも、黒崎さんのお陰で助かりました。ありがとうございます」
お礼を言いながら、ふと彼の存在が、誰かと被るような気がした。
普段は無愛想で、何を考えているのか分からないし、話しかけても、ぶっきらぼうな対応しかしない。
しかし、いざとなるときには、さりげなく手を差しのべてくれる。
似たような出来事が前にもあったような……。
霧に包まれた脳裏に、眼鏡がうつり、無表情な顔が形になった。
「そうだ。黒沢だ!」
もやもやしたものが明確になり、思わず叫んでしまった。
「えっ!?……僕は黒崎だけど……」
黒崎が不思議そうに呟く。
「えっ!……あっ、違うんですよ。黒沢っていうのは、俺がいじめられていたとき、こっそり助けてくれたやつで、何か変わったやつだけど、黒崎さんと少し似てるなと思ったんで……」
慌てて、支離滅裂な説明をする雪斗を見て、黒崎が笑った。