雪に咲く花
第32章 すれ違いの始まり
「でも、それで亘は思い出してくれるのかな?」
「だから、警察学校入るまでに思い出させてやるんだよ。うじうじしてるのは雪斗らしくないぞ」
「そうだね。ありがとう。颯人」
落ち込んでいた気持ちも、颯人の言葉によって軽くなっていく。
開いてしまった距離を、もう一度縮めようと、雪斗は一歩を踏み出していた。
亘が退院した後、雪斗は颯人とともに亘のもとを訪ねていた。
「まさか教師をやってただなんて……」
亘は、大学生の途中までの記憶しか残っていない。
当然、頭が大学生のままの自分が、今、教師であることなど全く覚えがないのである。
「まさか、悠希君がもう大学生で、颯人が高校卒業していたとはな……」
雪斗と颯人から聞かされた空白の時間に起きていた出来事は、信じ難い話でしかない。
「亘兄、雪斗のこと忘れるなんて可哀想じゃないか。二人は何があっても一緒だっただろ。そうだ、雪斗との写真残ってないか?」
「俺が、君と?……まさか」
二人で過ごした日のことを語っても、亘は困惑した様子しか見せない。
それに何故か、部屋の中を探しても、雪斗との思い出の写真が見当たらないのだ。
「どうしてなんだろう?亘との写真いっぱい撮って渡したはずなのに……」
「だから、警察学校入るまでに思い出させてやるんだよ。うじうじしてるのは雪斗らしくないぞ」
「そうだね。ありがとう。颯人」
落ち込んでいた気持ちも、颯人の言葉によって軽くなっていく。
開いてしまった距離を、もう一度縮めようと、雪斗は一歩を踏み出していた。
亘が退院した後、雪斗は颯人とともに亘のもとを訪ねていた。
「まさか教師をやってただなんて……」
亘は、大学生の途中までの記憶しか残っていない。
当然、頭が大学生のままの自分が、今、教師であることなど全く覚えがないのである。
「まさか、悠希君がもう大学生で、颯人が高校卒業していたとはな……」
雪斗と颯人から聞かされた空白の時間に起きていた出来事は、信じ難い話でしかない。
「亘兄、雪斗のこと忘れるなんて可哀想じゃないか。二人は何があっても一緒だっただろ。そうだ、雪斗との写真残ってないか?」
「俺が、君と?……まさか」
二人で過ごした日のことを語っても、亘は困惑した様子しか見せない。
それに何故か、部屋の中を探しても、雪斗との思い出の写真が見当たらないのだ。
「どうしてなんだろう?亘との写真いっぱい撮って渡したはずなのに……」