雪に咲く花
第33章 亘の疑問
大学の課程を全て学んだ記憶も、資格を取った記憶もないのに、自分が教師を続けていいものかどうか迷った。
しかし、もともと、教師を目指していた自分にとっては有難い話である。
校長に背中を押され、再び、教壇に立つことになったのだ。
記憶を失って初めて教壇に立ったとき、不思議な気持ちと緊張感に包まれていた。
「皆さん、ご存じかと思いますが、僕には教師を務めていた記憶がありません。僕にとって皆さんのことは初対面となります。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします」
校長のいう通り、生徒たちは、全日制のように同年齢の顔ぶれがそろっているわけではない。
30人ほどいる生徒達の中には、16歳から50代まで、ばらつきがある。
彼らは、中学時代、不登校により、全日制に進学出来なかったもの、経済的事情により、アルバイトをしながら定時制に通う者、高校へ通えなかった事情があり、改めて高校生活をやり直そうとしてる者など、様々な事情を抱えている。
「先生、大丈夫だよ。記憶がなくなったって先生は頭がいいんだから」
「そうそう、教えているうちに、きっと思い出すよ。覚えてないことは、俺たちが教えてやるからさ」
生徒達から励ましの声が上がった。
しかし、もともと、教師を目指していた自分にとっては有難い話である。
校長に背中を押され、再び、教壇に立つことになったのだ。
記憶を失って初めて教壇に立ったとき、不思議な気持ちと緊張感に包まれていた。
「皆さん、ご存じかと思いますが、僕には教師を務めていた記憶がありません。僕にとって皆さんのことは初対面となります。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします」
校長のいう通り、生徒たちは、全日制のように同年齢の顔ぶれがそろっているわけではない。
30人ほどいる生徒達の中には、16歳から50代まで、ばらつきがある。
彼らは、中学時代、不登校により、全日制に進学出来なかったもの、経済的事情により、アルバイトをしながら定時制に通う者、高校へ通えなかった事情があり、改めて高校生活をやり直そうとしてる者など、様々な事情を抱えている。
「先生、大丈夫だよ。記憶がなくなったって先生は頭がいいんだから」
「そうそう、教えているうちに、きっと思い出すよ。覚えてないことは、俺たちが教えてやるからさ」
生徒達から励ましの声が上がった。