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「おいっ！颯人、落ち着けよ！」
「やっぱりあいつが吹き込んだんだな！そんなでたらめ簡単に信じんのかよ！？こうなったら頭ぶつけて思い出させてやる！雪斗は確かに男に掘られたよ。だけど、あいつが望んだんじゃねえ！あいつは酷いいじめにあって、素っ裸にされてリンチされたあげくに強姦されたんだ！？それに……」
雪斗が亘の母親の過去のことで復讐に巻き込まれ、再び性的暴行を受けたことを言おうとしたが言葉を飲み込んだ。
「なんだって！……それは本当なのか！？」
亘の顔色が変わり、玄関の方で何かが落ちる音が聞こえた。
悠希が立っていたのだ。
「悠希君、君が言ってたことは本当の話なのか？……いったい何が本当で何が嘘なんだ？」
亘が悠希の方を向き、低い声で尋ねる。
悠希は体が震えて、何も答えることが出来ない。
嘘で固められた幸せが崩れようとしている。
また、雪斗の意外な過去の壮絶さに動揺を隠せなかったのだ。
颯人が、今度は悠希に掴みかかった。
「お前が、亘兄にあることないこと吹き込んだんだな！？何てことしてくれたんだよ！お前は雪斗から大事な心の支えを奪ったんだぞ。俺は、絶対お前達を許さねえからな！」
颯人が悠希を拳で何度も殴りつけた。