雪に咲く花
第40章 消えない繋がり
「久しぶりだね。この部屋も……」
亘と気まずいまま別れてから、久しぶりに雪斗は亘の部屋を訪れていた。
「雪斗すまなかったな。覚えてないとはいえ、お前に酷いこと言ってたんだな」
記憶を失っていた間のいきさつを颯人から聞かされ、亘は信じ難い思いだった。
まさか、自分が大切な雪斗のことを忘れて冷たくあしらってしまっていたとは……。
「いいんだ。あの時の亘は、俺の知らない人だったんだ。きっと本当の亘は眠っていたんだよ」
亘が雪斗を抱き寄せ、唇を塞ぐ。
今やっと、苦しいときに、いつも自分を包んでくれた愛しい人が帰って来た。
颯人が作った人魚姫のシナリオのように、涙の雫で愛は蘇ったのだ。
「亘、もう忘れちゃやだよ。そうなったら俺も亘のこと忘れちゃうからね」
唇が離れたとき、雪斗がすがるように抱きついた。
もう決して離さないとでもいうように……。
「忘れるもんか。あの時の俺はどうかしてたんだな」
恐らく、記憶を失っていた間は、過去の自分に戻っていたのかも知れない。
雪斗と出会う前の亘は、頑なで簡単に人を信じることが出来ないところがあった。
そんな自分だったからこそ、雪斗に冷たくしてしまったのだろうと亘は考えていた。
亘と気まずいまま別れてから、久しぶりに雪斗は亘の部屋を訪れていた。
「雪斗すまなかったな。覚えてないとはいえ、お前に酷いこと言ってたんだな」
記憶を失っていた間のいきさつを颯人から聞かされ、亘は信じ難い思いだった。
まさか、自分が大切な雪斗のことを忘れて冷たくあしらってしまっていたとは……。
「いいんだ。あの時の亘は、俺の知らない人だったんだ。きっと本当の亘は眠っていたんだよ」
亘が雪斗を抱き寄せ、唇を塞ぐ。
今やっと、苦しいときに、いつも自分を包んでくれた愛しい人が帰って来た。
颯人が作った人魚姫のシナリオのように、涙の雫で愛は蘇ったのだ。
「亘、もう忘れちゃやだよ。そうなったら俺も亘のこと忘れちゃうからね」
唇が離れたとき、雪斗がすがるように抱きついた。
もう決して離さないとでもいうように……。
「忘れるもんか。あの時の俺はどうかしてたんだな」
恐らく、記憶を失っていた間は、過去の自分に戻っていたのかも知れない。
雪斗と出会う前の亘は、頑なで簡単に人を信じることが出来ないところがあった。
そんな自分だったからこそ、雪斗に冷たくしてしまったのだろうと亘は考えていた。