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雪に咲く花

第40章 消えない繋がり

「あっそうだ!これ悠希君からもらったんだけど……」
亘が茶色の箱らしき物を持ってきた。
「悠希君からって!?……」
雪斗にとっては聞きたくない名前だ。
もとはと言えば、亘と離れることになったのも悠希が原因なのだから……。
「悠希君はいけないことをしてしまったが、とりあえず、この手紙読んでみてくれないか?」
亘が雪斗に、便箋を手渡した。
雪斗が手紙を読み始める。

『亘さん、雪斗君、僕はあなたたちに酷いことをしてしまいました。
子供の頃から好きだった亘さんを自分だけのものにしたかった。
だから、亘さんが雪斗君の記憶を失ったのをいいことに、嘘の話を吹き込んで二人を引き裂いてしまったんです。
でも、二人の間には僕なんかには入りこめない強い絆があるということに気がつきました。
邪魔者の悪魔はもう消えます。
本当にごめんなさい。

追伸
あの時壊してしまったフォトフレ―ムのお詫びの品物を置いていきます。
同じ物が見つからなくて申し訳ないけど、良かったら受け取って下さい。

末長く、いつまでもお幸せに


悠希


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