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ながれぼし

第8章 in the water




相「んじゃぁ気合い入れてこぉ!」

おー!と体を伸ばすついでに、ぐぅん。と腕を突き上げた雅紀。

「うん。行こう。」

もう一度、両手で頬っぺたをバシン。と叩き気合いを入れる。

ニ「行ってら。予選だからって気ぃ抜かないでね。」

俺達選手が、そんな事しないのはニノだって百も承知。

相「皆で、全国行こうね。」


「だな。」



始まる。

始まる。

暑い夏が



そして、


大「頑張ってね。」


そう微笑む貴方は見守ってくれるように
けど、その瞳の色には、それだけでは決してなくて


「大野くん。」


大「ん?」


次の大会には、
きっと大野くんも選手に選ばれる。


「負けないよ。」


大「え?」



俺を救ってくれた人。


貴方の泳ぎを知って、憧れて

貴方の側に居たくて

貴方の力になりたくて


それが、恋だと気が付いて
俺の"この世界"を取り戻してくれた



大切な

大切な


運命の人。



まだ、俺ができることは見つからないし
してもらってばかりだけど



「好きだから。」


大「…」


貴方のことも
水泳も


大好きだから

負けない。


「俺、もっともっと、強く、速くなるよ。」


貴方を守れるように

そして貴方と、しっかり肩を並べられるように


大「うん。俺だって負けないよ。」


そう、俺を見上げて嬉しそうに笑う貴方。




コポコポ



ブクブク




もう


とっくに貴方に溺れてる






*おわり*

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