テキストサイズ

ながれぼし

第3章 冬以上春未満

*二宮*




「智。俺と付き合って」


大「無理。」

ゴーーン…

「なんで?」

俺の前には、呆れたように「はぁ…」と溜め息を吐く

好きで

好きで

大好きなひと。


大「なんでって
もぉさ、何回も言ってるだろ。」

「諦められない。」

大「…お前なぁ…いい加減諦めろや。」

毎回毎回繰り返されるやり取り。

そして最後は…

大「俺、恋人いるから。」


チーーン…


大「あと俺、年上な!呼び捨てすんな。」

と、ビシッとひと指し指を俺に向かって指し、なんの未練も無く、くるりと体の向きを変えて離れていく。



……

「…かっこいいなぁ…」

相「っておーーい!!かず?!!
振られてるんだよ?!何その呟き?!」

あの綺麗な瞳だったりさ

少し眉間に皺を作った表情だったりさ

しなやかな手は、男と思えないくらい綺麗。

相「おーーい!かずー?」

颯爽と歩いていく後ろ姿なんて、ちょーかっこいい

そして猫背がかわいい

相「おーーい…」

でも、何よりも
笑った顔が一番好きなんだよね。

相「…駄目だこりゃ…」

「あれ?相葉くんいたの?」

相「…大野さんに会う前から一緒に居たよ。」

「そうだっけ?」

相「ひどっ!」

「あは!冗談だよ。」

俺がそう言って笑えば、相葉くんは、もぉ。と困ったようにそのかっこいい顔を崩して笑う。

俺より高い身長。スラリ。と伸びた手足。
さらさらと風になびく明るく染めた茶色の髪。
笑った顔は、真夏の太陽の様にキラキラしている


相葉くんはモテる。凄くね。

でも…そんなイケメンと一緒にいても

俺はどうしようもなく…

誰よりも…大野智が好き。なんだ。


いや、もう誰かと比べるとかじゃなくて

別格過ぎて…別格で好き。


そんなことを、目の前の相葉くんを見ながら考える。

相「…なんか…告っても無いのに振られた気がするのは気のせい?」

「ごめんね。」

相「おい!(笑)」

「次遅れるよ。」

相「誰のせいで足止めくらったと思ってんの。
って、あ!もう!置いてかないでよー!」

そんな事をぶぅぶぅ言ってる相葉くんを置き去りにして、次の講義室まで走り出す。


これが、俺の日常。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ