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ながれぼし

第5章 愛ってやつ?

*二宮*




大「にぃのぉ〜〜ー…!!」

ドンドンドンドン!


けたたましい音が鳴り響いたのは、俺がそろそろ寝ようかなと、ゲームの電源を落とした時だ


ドンドンドンドンドンドン!!

大「にのぉーーあげでよぉぉ〜〜!!」


そして、大音量の声


大「にぃ…っ」
「うっるせーな!!今何時だと思ってんだ!馬鹿!」

アパートのドアを、バンっ!と開けると同時に言い放った。


大「……ぐすっ…2時半〜…!」


「夜中のな!」

真夜中だ馬鹿野郎。
明日、絶対大家からクレームだよ!


大「にぃのぉぉぉ!!」

「っうお…!」

そんな俺の穏やかな生活が脅かされるのなんてお構いなしに

智は、ボロボロと涙を流し
ダラダラと、鼻水を流し
俺に抱きついてくる。


大「ふぅっ…ぐすっぐすっ…」



迷子の子供だったら満点の登場だ。


何があったか。

そんなのわかる。


「はぁ、部屋入れ…」

大「俺……振られちゃったよぉぉ…」


なんとも情けない声。



……


はっ!だろうな!


これでもかって位に俺に抱きついて
冬なのに熱すぎる位の熱を放つ


ここまで…走ってきたのか

泣きながら?


「捕まらなくて良かったね。」


大「…え?」


こんな夜中にヤバイ奴だよ。


ビジュアルがぐちゃぐちゃの顔を、きょとん。と上げて俺を見る。


…てか…
この臭いって…


「ヤった後?」


大「ぁっ……」

途端にまた、その大きな瞳から大粒の涙が零れ落ちる。


大「っSEXした後…ピロートークしてたら振られたっ…3回もして!一生懸命フェラして精子も飲んだのに!ねぇなんで!なんでだと思う?!!」


…あぁ

こんな夜中に卑猥発言を大声で…

引っ越しか…俺…

金ねーのに……


「…なんて言われたの?」


最早、どうでも良くなった。

つーか眠いんだよ俺は、早く終わらせよう。


大「…冷めたって…!!」





……


あんのクソ餓鬼…


だから、あんな奴と智が付き合うのは反対だったんだ。
でも…あいつを嬉しそうに俺に紹介するから、智が幸せなら。って思ってたけど


『冷めた』
これほど別れ話で言われて嫌な言葉なくない?何処が悪かったのか、原因すら教えて貰えず、ただ突き放すだけの言葉。


どいつもこいつも馬鹿ばっか。



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