
ながれぼし
第6章 きみごころ
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「はい!カンパーイ♪」
あちこちで乾杯の声が上がって、あちこちでグラスがぶつかる。
大学同学の飲み会。人数は20人弱くらい。
こういうのには必ず参加するのが俺のモットー。
だって、その方が知り合い増えるじゃん。
色んな話も聞けるしね。
「あれ?もう酒飲めんの?」
そう聞いたのは、サッカーサークルで出会った、ちずちゃん。
ちず「うん。来月20歳だし。もういいかなって。…内緒ね?」
内緒ね。って人差し指をプルプルの唇に当てる。なにそれ、ちょーかわいいー。
実は、狙ってたりもする。
「あー未成年。いーけないんだ♪いけないんだー♪」
そうからかえば
ちず「あ、ひどい!言わなきゃ良かったぁ。」
と、頬っぺたを膨らませ睨まれた。
「あは。ごめんごめん。うそうそ内緒。」
ちず「もぉー。」
ポン。とボディタッチをされた。
お。なんだか良い感じじゃない?
デート。誘ってみようかな…
「ねぇちずちゃ…」
「なー健!今度大野くん連れてこいよ。大野くん。俺、大野くんと飲みたーい♪」
おい…。
意を決した俺の言葉はまんまと遮られた。
遮ったのは、こいつもサッカーサークルで出会った山田。騒がしい奴だ。
「…大野っち?無理だよ。人見知りだもん。誘っても絶対に来ねぇよ。」
山田「そこをなんとか!お前友達だろ?!」
…
友達…
「無理無理ー。」
山田「えー…あ!櫻井くんは?櫻井くんが来れば来るんじゃね?」
「櫻ちゃん、いっつもデートとか何かしら予定入ってて捕まらないから無理ー。」
山田「え?櫻井くん彼女いんの?!」
「そりゃいんでしょ。あんなイケメンよ?引く手数多っしょ。」
何をそんなに驚く。
山田「…あーそか、そうだよな。
え…じゃぁ大野くんも彼女いたりすんの?」
「あー…居たけど別れたな。」
去年、俺が紹介した女の子。
清楚系の綺麗目で凄く良い子(俺のタイプじゃないけどね)
別れた理由。大野っちに聞いても『言わない』って教えてくれなくてさ。
でも気になんじゃん。だからその子に直で聞いたら『大野くんには私じゃないんだよ。』って微笑んだんだ。
どーいうことよ??
