
ながれぼし
第6章 きみごころ
大「いたいた。」
教室にひょっこり現れた大野っち。
櫻「遅…」
「大野っち〜♪おはよー。」
櫻ちゃんの言葉に敢えて被せて、俺は大野っちにぎゅぅ。と抱きついた。
大「わ。…ふふ。おはようタケちゃん。」
タケちゃん。そう呼ばれるようになって
もう1年ちょっと経つ。
ま、俺がそう呼んでって言ったんだけどねー。
櫻「は?また…タケ!」
「えへへへぇ♪」
気にしなーい。
大「くふっ、息当たって擽ったいよ。」
これ。俺の最近のマイブーム。
大野っちって、小柄で俺の身長にぴったりジャストフィットなの。
まぁちっとゴツゴツしてるけど、抱き心地は悪くない。
それになんだか、いー匂い…
櫻「はぁ…何やってんだよお前ら……
で、先輩の誘いは断ったの?」
俺の勝手は日頃痛感してて諦めたのか
はたまた気にしない様になったのか、それとも気にしない様にしてるのか、櫻ちゃんは話を始める。
大「あ、うん。断ってきたよ。」
櫻「ちゃんと?」
大「え?うん…ちゃんと…?」
櫻「なんで疑問系。」
大「……」
もぉ櫻ちゃん…
ちょっと体を離して顔を見れば、また困ったように眉毛が下がってる。
あれだよね。
「ここ最近、良く声かけられてるよね。あの先輩に。」
櫻「え?そうなの?」
大「タケちゃん?」
なんで知ってるの?と綺麗な顔に付いた綺麗な瞳が俺を見た。
.
大野っちは、その容姿で入学式から注目を集めていた。櫻ちゃんは存在事態知らなかったみたいだけど、俺はいち早く注目して、そんでもっていち早く声を掛けた。
だって、そんな注目浴びてる人と知り合いになれたら、俺も注目浴びれんじゃん?
それに知り合いは多いに越したことないしね。
まぁ…結果は…
会話は続かないわ、目は見てくんないわ、嫌そうな顔されるわで。
でも俺、そう言うの気にしないの。
だって、他にも人はいっぱい居るし。
有りか。無しか。
いけるか。いけないか。
合うか。合わないか。
大野っちは、合わない。部類って判断してそれっきりだった。
