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kiss & cry

第15章 xA not REC-xmas EVE

A side








一目惚れだった。



その日は機材トラブルかなんかで

普段使わないスタジオでの撮影で。

楽屋の位置もよくわかってなくて、

迷い込んだ先にいたのが彼だった。




透き通るような肌の白さと、

美しい横顔。一瞬女の子かと見間違うほどの。




しばし彼の姿に釘付けになっていたが、

迷った俺を探しにきたスタッフに呼ばれ

その場を離れなくちゃいけなくなった。


名前もわからない彼に、

後ろ髪ひかれる思いでその場を離れ、

その後の撮影は気もそぞろ。散々だったっけなぁ。




後日、ゲイビでオファーが来てると言われた時に

一応目を通して欲しいと渡された企画書。

その企画書に書いてある名前に、

もしかしてと思い検索してみたところ

あの彼の画像が表示されたんだ。



その画像をみて『二宮和也』との仕事に飛びついた。



担当ディレクターは、オファーしたものの

まさか受けると思ってなかったみたいで

俺がオッケーの返事をした時には驚いてたっけなぁ。




初めての撮影の時には、

ドキドキして、顔のにやけを抑えるのに必死で。



キスするたびに漏れる吐息とか、

潤みを増す瞳とか、

初めて触れた肌の質感とか。



そのどれもがたまらなくて。



嬉しくて、愛おしくて、幸せで。




調子に乗ってカズ、とか呼んでみて。

マサキって呼んでもらって。

イく時の顔とか、俺のを咥えてる時の顔とか

ほんとにほんとにたまらなくて。





このまま二宮くんのこと、

どんどん好きになってく、そう思った。



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