
ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵
第8章 伯爵と悪夢
「ご主人様――――…有森様を今後どうするおつもりですか?
あいつらの意図はハッキリしています…
“マクギャレット様”です…よね――――…」
「――――ピノ彦…その名を安易に出すな…」
アレキサンダーはピノ彦の言葉を遮るとすみれの耳にキスをした
「マックの居場所を知りたいのは私も同じだ――――…だから、やむ終えず血だって分けているんだ…
手がかりは“空”だけだからな――――…」
定期的に野村への提供も全て“マクギャレット”を探し出すためのやむ終えない事…
ピノ彦もその事は十分承知しているが…
アレキサンダーを守るためにいるピノ彦にとっては、野村の存在は苦痛でしかなかった
「しかし、今日の催眠香は大袈裟だったか?
――――…すみれがな…悪夢を見ないように…って思うと…つい量の加減が…」
体に纏わせている“催眠香”をクンッと自分で嗅いでみるが――――…アレキサンダーやピノ彦には効果はなく…ただ甘ったるい香りが鼻をつく
「過保護にも程があります」
「すまん――――…」
