
ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵
第8章 伯爵と悪夢
ピノ彦も久しぶりのアレキサンダーの鼻歌に――――…ソファでつい…うとうととしていた
「――――…ア…レク…どうして…連れていって――――…くれないの?」
アレキサンダーはハッとして歌うのをやめた!
頭を撫でていたすみれを覗き混むと…
すみれは寝ていたが――――…目から…涙を流していた
“どうして――――…連れていってくれないの?”
泣きながら――――微笑みながら…
すみれがアレキサンダーに言った最後の言葉…
「すみれは…普通に暮らさないと――――…幸せにならないと…」
悪夢の原因が…そこから来るものかどうかは知らないが…
すみれの忘れた記憶の奥にアレキサンダーがいたことは…確かだった
