ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵
第10章 伯爵と真実
「――――すみれ…私は君を引き取りたかった…
あの時…すみれが私の手を握り「一人にしないで」と、泣いてた…もちろん!一人になんかするつもりはなかった!
だが、有森夫婦の押しが強く…叔父の件もある私にはすみれを引き取る権利すら無いと――――…警視庁のやつらに責られ…泣く泣く手放したんだ」
アレキサンダーは私の手を包み自分の頬に当てた――――…
「それから――――…約20年…コッソリ有森夫婦の同行を見守ってきたが――――…あの有り様だろ?流石に堪忍袋の緒も切れるって!」
ず――――っと監視はしていたんだ…アレキサンダー…
そっか…私は見守られてたんだ…
でも、それは――――…私の中に翠さんの血が入っているから?