
ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵
第12章 伯爵と翠
――――その頃…アレキサンダーは…
「――――やられましたね…」
ピノ彦が手にしていたフォークをテーブルに置き広い庭を見つめていた
「あぁ…気配を消すなんて…まるで吸血鬼みたいなことをする…油断していたよ…」
ガッカリと肩を落としたアレキサンダーは椅子に力なく崩れた
「ま――――…今回は絶体に叔父にはすみれを渡しはしないよ…」
そう呟くと…アレキサンダーの瞳が真っ赤に光る
「白本に車を出させますか?」
「いや――――…人間を巻き込むべきではないだろう…白本も歳だ――――…老後を満喫して欲しいからな…」
ピノ彦は「そうですね」と呟くとテーブルにあったティーセットを片付け始めた
「では、僕が運転しますね――――…」
「頼む――――…あ…ピノ彦の運転なら…酔い止め飲んでからでいいかな?」
酔い止めと聞きピノ彦はアレキサンダーを睨んだ…
「ど~ぞご自由に!ゲロまみれの救出劇は絵になりませんからね!!」
