
ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵
第12章 伯爵と翠
私はそっと肩に目線を落とす――――…と、そこには目を赤くしてこちらを見つめる小さな虫がいた
「アレク――――…?」
すると虫の目が徐々に黒くなり…ソワソワしながら私の肩から飛び立ち
頭上で飛んでいた鳥も――――…いつの間にかいなくなっていた
「――――中継も終わったことですし…行きましょうか」
野村は監視が解けたのを見極めると山林の小道を進んでいく…
そうか――――…虫の目を使ってアレキサンダーは私を盗撮していたのか…
くそ!分かる訳がない!虫なんて小さいと気がつかないじゃないか!まったく…後で説教だな…
「なんだか――――…拍子抜けしますね…もっと怖がるかと――――って…見た目は子供でも中身は25歳の元警察の人間でしたね…肝は座ってますか」
いちいち嫌み臭い男だなぁ…
私は野村の背中を見ながら山林小道を進んだ
