
ロリヴァンプ伯爵の鼻唄🎵
第12章 伯爵と翠
ふと、車外に視線を向けると――――…街の賑わいが飛び込んできた…
「――――…何処へ行くの?」
「マクギャレット様の所ですよ…
大丈夫――――…山奥じゃないですよ…
私も、マクギャレット様も山は好きじゃないんです
だって…不便でしょ?
アレキサンダー様は、翠様の一族を思ってあそこに何百年も住んでますけど…
――――…翠様が連れ去られバラバラになった一族は…もうあの地には戻ってきませんよ…何を守っているのやら…」
アレキサンダーは…あそこで翠様一族の土地を守っていたんだ…
だから――――…あんな山奥に…
「もしかして…白本さんの先祖は…」
「おっ?察しがいいですね――――…ええ、昔は吸血鬼の一族でしたね…でも、何百年もの間…人間と交配し続けることにより、血は薄くなり…今では人間と同じレベルでしょう…短命だ…」
そうか――――…吸血鬼は子孫を残すのがとても大変だと言っていた…
一族はもう…
