and you
第1章 手を繋いで A×N
A side
仕事終わりの楽屋。
各々がまったりコーヒーを飲んだり、
今日の収録の話をしたりする中。
ニノはいつも決まって帰り支度が早い。
「お疲れ様でしたー。」
「えー、ちょっと待って!早くない!?
一緒に帰ろうよ!」
「置いていきます。」
「ええ!?ちょ、にのちゃーーん。」
荷物をぱぱっとまとめて、
さっさと家路につこうとしてるニノ。
ドアを開けて出ていくニノと、
慌てて追いかける俺を見て笑ってるメンバー。
「まーたやってるね、あの二人。」
「毎回毎回飽きないよねー。」
「ま、いいんじゃない?楽しそうで。」
なんて会話がすぐ隣で繰り広げられてる
ことなんて露知らず、
「じゃあ、みんなお疲れ!」
「お疲れさまー。」
みんなに挨拶を済ませると、
俺はニノの背中を追って楽屋を飛び出した。
置いていく、なんて言ってても
本当にそんなことをするのは喧嘩中だけ
だから、まだそんなに離れた所にはいないはず。
…ほら。
俺の思った通り、ニノは俺よりも
ほんの少しだけ先にいる程度だった。