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and you

第2章 not yet  S×O





S side



「ちゅー、して?」


イッたばかりで壮絶な色気を纏っている
智くんが、とろんとした顔で訴えてくる。

ずるい。
こうやって無意識に俺を煽るんだから。


「キスしたら止まんなくなるよ?」


冗談半分で智くんの耳元でそう囁くと、
ぶるりと体を震わせながら

「いいよ…頂戴?」

って、上目遣いで俺を見る。


…もう一戦始めてしまったのは言うまでもない。






意識を飛ばしてしまった智くんをみて、
罪悪感に襲われる。


「明日も朝から仕事なのに…ごめん。」


そっと智くんの顔を覗くと、
とても幸せそうな顔で眠っていて。

その表情にまた救われる。
俺が落ち込みそうになると、いつだって
すくい上げてくれる。
眠っている顔ひとつで、こんなにも。


そっと髪を撫でると、

「ふふ…しょおくん…。」

嬉しそうに笑う。


どんな夢を見てるの?
俺との幸せな夢ならいいな。



智くんの体を綺麗にして、
自分も簡単にシャワーを済ませると
智くんの隣に滑り込む。

自分の腕の中にぎゅっと抱きしめると、
モゾモゾと動いてベストポジションを
決めている智くん。

落ち着く場所に収まると、またスーっと
静かに寝息をたてている。


「智くん。」


名前を呼ぶだけで愛しい。

触れているだけで幸せになる。


毎日智くんのことを好きになって、
昨日より今日の方が幸せで。


まだこの恋に終わりなんてない。
まだこの幸せに終わりなんてない。


ううん、きっとこれからもない。

だって智くんが隣にいるから。




-end-

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