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ただ今嫉妬宮発動中!

第4章 嫉妬宮その2~N×J×S★更に続きの章★




「坊っちゃま、着きますよ」


腕を組んで目を閉じていたら、運転手の


茂じいに声をかけられてハッとした。


帰りついたか……


なんて思っていたと同時に




「あっ!!?坊っちゃま!ひ、人が!?」

 


え?



茂じいの余り聞かない慌てる声で俺も


びっくりして、


S「はっ?人?」


思わず聞き返して前に身を乗り出して見た。


「だ、男性です!家の門の前にた、倒れて
 らっしゃいますっ!ちょっと見て参ります!
 坊っちゃまは、そこに……」


茂じいは、そう俺に伝えると雨の中


急いでばたんと出て行った。


薄暗い門の明かりと、車のヘッドライトの


横に伸びる光に照らされて見えた、その先に


男が倒れている姿が見えて。


それを男だと確信した瞬間に茂じいが声をかけて


抱き起こしてくれた瞬間に、俺は思わずあっ!


とすげぇ声を上げた。


S「潤っ!?」

 
まさかと思ったのと同時に。


俺は車のドアを勢いよく開けて傘も差さずに


飛び出した。


S「潤っ!」


茂じいに抱き起こされて濡れてびしょびしょに


なってぐったりしてる、目の前のこいつの顔を近く


でちゃんと確認して、本当に潤だと確信した。



「坊っちゃま、御体が濡れてしまってます
 傘を…」



S「俺はどうでもいい!」


俺の身体なんか本当にどうでもいい。


目の前の友達の潤に会えたこと。



S「あぁ良かったぁ……って!良くないわ!茂じい
 これ、さっき探してた潤!意識ない?
 大丈夫なのか?ちょっ、家に入れて!!
 すぐ、医者呼んでくれ!」



潤がいたと安堵した気持ちと、同時に目の前で


倒れていた潤の身体が心配で、


茂じいにそう叫んでいた。


S「茂じい代わるから、早く医者呼んで?」



「あ、はい!坊っちゃま、では潤さまを
 支えて頂けますか?」


茂じいから潤の濡れた身体を離そうとした時


S「あっ!おい!?」


茂じいの真っ白いシャツの腹の部分が真っ赤に


染まっているのが見えた。


「血!?」


茂じいと俺は同時に叫ぶ。


っ!


どっからだ?


潤の身体を支えながら、茂じいと慌てて


その場所を探した。


S「あぁっ、おい!手首だ!」


茂じいに叫んだ。


「医者呼んで!」

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