テキストサイズ

ただ今嫉妬宮発動中!

第2章 嫉妬宮その2~N×J




物心つくようになってからのオレは、
潤に近付く奴らが、とにかく鬱陶しく思えて 
仕方なかった。



ある日、小学校の高学年の時、潤がクラスでも
可愛くて人気のある、みーちゃんって
女の子から告白された。


その頃、潤の周りには常に人が集まって
いて、賑やかな事が多かった。


一方、オレはどちらかというと独りでいる
方が楽だったし、誰かが絡んできても、
そこで人見知りを発揮させて上手く
コミュニケーションを取るのが苦手だった。


潤と双子って事で、最初は興味津々と
話しかけてくる奴は多かったけど。

 
会話の続かない、無愛想なオレは
独りになるのも早かった。


……別に、そんな事は対して気にしない。


オレには潤がいるから。



……なんて思っていたのにね。


思春期に差し掛かった、この頃。
潤に恋していたみーちゃんは、


「あたし、潤君が好きなの」


なんて、顔真っ赤にしてさ。



放課後、学校の帰り道で待ち伏せ
なんかしてさ。
急に潤だけに

「こっち来てくれる?」

なんて、呼び出して。


隣を歩いていた、オレはまるで眼中に
入ってない様子で。

キラキラ、ウルウルした大きな目を
潤に真っ直ぐ向けてたっけ。


……気持ち悪りぃ。


潤は、オレを気にしながらも照れ臭そうに
みーちゃんの後について行って、
オレから少し離れた位置で、
嬉しそうに、なんか受け取っていた。


「好きなの」の言葉はオレにも
しっかり聞こえていた。

潤の嬉しそうにはにかんでる顔を見ていて
吐き気がしそうになったのは、
この「みーちゃんの告白」が
初めてだったんだ。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ