
ただ今嫉妬宮発動中!
第1章 嫉妬宮その1~N×A
モヤモヤが大きくなっていくのが分かる。
歩きながら、まーくんが潤くんと二人で
レッスン続けてる姿が脳裏に浮かぶと、
どうしようもなく焦るような感覚がしてくる
のが分かった。
……じゃあ、なんで二人残して自分だけ
帰るような真似したのよ?
それこそ、まーくんに追いかけて来て欲しい
とかって、ちょっとでも思ってたんなら
とんでもなくオレって面倒くさい奴だよな。
女々しすぎるわ。
まーくんだって、レッスンなんだから
真剣にあの人は打ち込んでるわけで。
邪魔する権利なんて、オレには毛頭ない。
……たださ。
見たくなくて。
オレじゃなくて、潤くんに向けられるあの
まーくんの笑顔を。
あれは、本当はオレだけにさ
向けて欲しいのよ……
こんな事言ったらヤバい奴認定かもだけどさ。
あのまーくんの笑顔を
独り占め出来たらってね。
いつも、隣にいるのが当たり前になっちゃって
るもんだから。
あの人のあの笑顔はオレだけのもの……
みたいに、勘違いさせられちゃうのよ。
……完全に痛いでしょ?
オレ。
本当に……
もうまーくんの全部を、独り占めしたいなんてさ。
