
ただ今嫉妬宮発動中!
第1章 嫉妬宮その1~N×A
レッスン場に入ってからの潤くんときたら
そりゃ、もう。
まーくんに文字通り、手取り、足取り
くっついて指導してるし。
確かに……まーくんはちょっとだけ
覚えが遅いとこあるよ?
だからって、そんなくっついて教える
必要ある?
オレはさっきから、ミラー越しに
潤くんとまーくんの姿を睨み付ける
ように真顔で見ていた。
A「あっ、分かったぁ!潤くんの
教え方がいいんだねっ」
まるで、そこに太陽の光りが降り注いだ
かのように、まーくんのキラッキラの笑顔
が潤くんに向けられる。
J「分かってもらえたなら、いいんだよ。
かなり上達してる!まー。」
照れ隠しなのか、知らないけどさ。
潤くんのその、はにかむように口角少しだけ
上げて、ツンデレ発揮すんの止めてくんない?
それ、オレのキャラだから。
まーくん専用のね?
潤くんとまーくんのやり取りに無性に
イライラしちゃうオレは
ついに、この二人をこれ以上見たくなくて
N「オレ、お先で~す」
一言だけ、二人の顔も見ずにそう言って。
レッスン場を後にした。
A「和くん!ラーメンはぁ?」
扉がちゃんと閉まる前に、まーくんが
そう言ったのが聞こえたけど、
オレ、そんなラーメン食いたいわけじゃ
ねぇし。
ラーメンは、あんたと帰るきっかけで
言ってみただけだから。
ド天然!
あいばか!!
いい加減気付けよ!
くそ可愛くもない態度でイライラしながら
レッスン場から出たオレは。
自分でそうしたのに、
「やっぱ二人にしなきゃ良かった」
なんて、バカみたいに後悔してるオレがいた。
