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特に風俗という業界で経営者として生き残っていくには、力が必要だ。

それは己を守る肉体の力とこの業界を牛耳る人物の力。

尚樹が若くしてこれだけの店を持てるのも、この町を牛耳る力を持った男の後ろ盾あっての成功でもあった。

その後ろ盾になっている男こそ、スティンガーも含む夜の業界を牛耳る男のことでもある。

その男に睨まれた時点で、この業界で生きていくことも、それどころか明日の命があるかどうかもわからないほどの権力を持った男のことだ。



「とにかく、髪の長い女を尚樹さんのもとに連れて来ること。それだけが今の俺たちが明日も生きていられるかどうかの……鍵だ」


「そうっすねっ！八代さん、俺は明日も生きていたいっす！」



八代と保は二人手を合わせて


『髪の長い女を絶対にここへ連れてくるっ！』


と力強く誓い合った。