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「あなた……いったい誰なの？」


尚樹はズボンのジッパーを上げながら、少しニヤけた顔をして言った。


「2年ぶりに女とやったのに、お前抱いても、全然濡れないから、あんまり気持ちよくなかったぞ」


尚樹のおどけた態度にカッとなったメグの平手がバシッと彼の左頬を叩いた。


「私は抱かれたんじゃないっ！あなたに無理やり犯されたのよっ‼」



痛ってぇ……と言いながら左手で叩かれた左頬をさすった後に、その左手でメグの右頬を擦り、親指で彼女の唇を撫でながら、尚樹は顔を緩めて意味深に微笑みながら言った。


「ごめん……ケイ。次はちゃんと抱いてやる」


ケイ……それはメグの本名。恵と書いてケイと読む。自分の本名を言われて驚くメグ


「どうして……私の……なまえ……」


緩めて微笑んでいた顔つきから、また鋭い顔つきに戻り


「お前の質問には後で答えてやる。ただし、１つだけだ。何を一番聞きたいのか考えとけよ」


そう言うと、尚樹はメグから離れてスマホで電話をかけた。


「出るぞ。裏手に車回せ」