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ギムレット

第16章 ブルドッグ  守りたい

どもりながら答えていた若者が、恐怖で土下座をし、半分泣きながら答えた。


「ネットで……あの……ネットの裏バイトで……ただ……ただ……あの髪の長い女性の……家を……調べろ……と……」


「本当……なんです!信じてください!お……お……お願いします!」


「他に何か聞いたか?嘘を吐いても後でバレるぞ」


「な……何も……聞いてない……です。髪の長い女性の……家を突き止めたら……5万円払うと……言われて……本当ですっ!本当に……それだけしか、し……し……知りません。お……お……お願いします。信じてくださいっ!」


尚樹は頭を道路に擦り付けるほどの土下座をしながら懇願する若者を表情も変えずにジッと見つめた。嘘を吐いているか、吐いていないのかを見極めているようだった。


しばらくして尚樹は一緒にいた男たちに命じた。


「こいつの指、いつもの病院行って、くっつけてやれ。こっちは事務所に連れて行って、ネットの依頼主の情報を全て吐かせろ。あとこいつらの名前、住所、家族構成、全て調べて記録しておけ。終わったら、こいつらは帰していい」


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