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ギムレット

第16章 ブルドッグ  守りたい

尚樹は車に戻ると、ドライバーの若者に、俺の家まで行ってくれ。と伝えた。


車の中で待っていたメグは、誰かの悲鳴が微かに聞こえてきたのだけは分かっていたものの、車に戻ってきた尚樹たちに何も聞くことはできなかった。


5分ほど車を走らせると、マンションの地下駐車場に車は入っていった。このマンションが尚樹の自宅のようだった。


「尚樹さん、着きました」


目を閉じてうっすら眠っていた尚樹は「ああ……」と答えると「降りるぞ」と言い、メグは一緒に車を降りた。


地下駐車場からのマンションの入り口は、ICチップ入りのカードキーを差し込むと自動ドアが開く仕組みになっていた。


中に入ると、3台のエレベーターがあり、マンションの各層に繋がっているエレベーターがそれぞれ違っている。尚樹の住む階層は向かって右側の高層階用のエレベーターだった。


右側のエレベーターに乗ると、10階以上の階層のボタンしかなかった。


尚樹は15階のボタンを押した。




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