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ギムレット

第16章 ブルドッグ  守りたい

広々とした玄関を入ると、入り口のすぐ右側に部屋が一つ。少しだけドアが開いていてメグは中を覗いたが、そこはクローゼット代わりのようで、高級そうなスーツがズラッと並んでいた。


通路の先には広い30畳ほどのリビングがあった。


元々はリビングダイニングに和室の間取りでもあったのだろうが、全てがリビングと化していた。

この部屋の、趣味のいいレザー張りのソファーは、その存在が隠れてしまうほどに脱ぎ捨てられた服が散乱し、テーブルの上は雑誌や本が今にも崩れそうなほどに山積みになっている。


ダイニングテーブルなどはなく、多種類のスコッチやウィスキーの瓶が置かれたバーカウンターが備え付けられてあり、壁に埋め込まれた大画面テレビと、部屋の隅に大きなダブルベッドがある程度で、その他の家具が一切置かれていなかった。


天井の高い部屋。周りはグルっと全て窓になっていて、この部屋のベランダには大きなルーフバルコニーがあった。


窓のカーテンが開いていたせいもあって、部屋に入ってメグの目に映るその眺めは絶景だった。


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