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ギムレット

第16章 ブルドッグ  守りたい

そのアルバムの中には、まだあどけない子供の表情の二人が写っていた。

それは、メグにとって愛しく大切で懐かしい人、和弥と尚樹の12~13歳頃から18歳くらいまでの二人が一緒に収められた写真だった。



ソファーに服が散乱しているため、腰かける場所がベッドしかなく、メグはベッドに腰かけて、少年時代の二人が収められたアルバムを見ていた。


メグの知らない時代の和弥の写真。


あどけない笑顔を浮かべて笑う二人の少年。

あどけなさを残しながらも、徐々に大人の表情に成長していく二人。

メグが名付けた「天使くん」。その少年時代の笑顔もまた、天使の微笑みのままだった。

和弥の笑顔とは対照的に、少年時代の尚樹が一人で写る写真からは殺気が感じられる。

なのに、和弥と一緒に写る写真の尚樹からは、その殺気が消え、穏やかな表情の物ばかりだった。



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