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ギムレット
第16章 ブルドッグ 守りたい
「俺とあいつには、血の繋がりはない。小学校を卒業してから高校を卒業するまでの6年間、ずっと同じ“場所”で生活してた。だから……俺にとってあいつは……」
尚樹は濡れた髪を拭いていたバスタオルを頭から垂らし、顔を隠すように覆って言った。
「家族、兄弟、親友、恋人、その全てだと思っていた奴だった」
尚樹の言葉に、メグも頷きながら言った。
「私にとっても彼は……あなたと同じ。私の生きる意味の全てだった」
メグの言葉に一瞬穏やかな表情を見せたが、尚樹はまた彼女から顔を背けた。頭から垂らしたバスタオルの隙間から見える横顔の瞳が、悲しみと怒りが混じったように鋭くなる。
「俺は……ガキの頃から殺意を持って生きていた。この世の中に俺が殺意を抱く奴も、死んで当然のクズもごまんといるのに……そういう奴ほど、のうのうといつまでも息をして生きてやがる。なのに……たった一人、側に……ずっとそばで生きていて欲しかった奴は……あっさりとこの世からいなくなっちまった……」
悲しみと怒りの混じった尚樹の瞳から、涙が零れ落ちた。
尚樹は濡れた髪を拭いていたバスタオルを頭から垂らし、顔を隠すように覆って言った。
「家族、兄弟、親友、恋人、その全てだと思っていた奴だった」
尚樹の言葉に、メグも頷きながら言った。
「私にとっても彼は……あなたと同じ。私の生きる意味の全てだった」
メグの言葉に一瞬穏やかな表情を見せたが、尚樹はまた彼女から顔を背けた。頭から垂らしたバスタオルの隙間から見える横顔の瞳が、悲しみと怒りが混じったように鋭くなる。
「俺は……ガキの頃から殺意を持って生きていた。この世の中に俺が殺意を抱く奴も、死んで当然のクズもごまんといるのに……そういう奴ほど、のうのうといつまでも息をして生きてやがる。なのに……たった一人、側に……ずっとそばで生きていて欲しかった奴は……あっさりとこの世からいなくなっちまった……」
悲しみと怒りの混じった尚樹の瞳から、涙が零れ落ちた。
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