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ギムレット

第20章 スプリッツァー  真実(シュウ編)


死にたかった。死にたくなるほど俺自身が俺自身を殺してやりたいと思った。


祖父を痛めつけ、傷つけ、殴り返してやりたいのに、何もできずに。

なのに俺の身体は、軽蔑すべき相手なのに、性という欲求は、それさえも上回ってしまうのか…


無力な自分を消し去りたいと思った。



俺はこの時、生まれて初めて、人を殺したい。そう思った。


そして同時に、俺自身も一緒に「死んでしまいたい」そう思った。

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